ランチェスターの法則とは何か、どのように学ぶべきか、実践するとどうなるのか。ランチェスター戦略コンサルタントが解りやすく解説します。

このブログは当社代表の福永が、コンサルティング活動をするなかで、感じたこと、考えたこと、学んだことを書いていきます。お手伝いしている企業の成果を上げていくためのコンサルタントの頭の中身、いわば「ネタ帳」です。結果として、ランチェスター戦略理論と、その実効性を強化することになります。お役に立てば幸いです。


カープ優勝にみる一体感のあるチーム

  2016年09月12日


広島東洋カープが25年ぶりにセリーグで優勝した。
6チームのリーグ制なので、平均すれば6年に一回は優勝できるはず。
なのに、四半世紀もの長きに渡り低迷し、優勝から見放されていたチームが突然、ぶっちぎりの優勝を果たしたのはなぜだろうか。

「赤ヘル軍団」化で初優勝したカープ

カープの初優勝は忘れもしない1975年。
広島県出身の私(福永)が小学6年生のときである。
今日「小が大に勝つ」との使命をもつ私に大きな影響を与えた出来事だった。

それまでのカープは本当に弱かった。
球団が設立された1949年から26年間、一度も優勝したことがなかった。
ほとんどのシーズンがBクラス(4位以下)で、優勝する前は三年連続最下位という体たらくであった。

なぜ、そんなに弱かったのか。
最大の要因は地方の貧乏球団だったからだろう。
有望な選手を確保しづらい。
戦力的に明らかに劣っていた。

そんなチームが突然強くなったのは、
負け犬根性が染みついていたチーム体質を変えたからだと思う。

「赤」のヘルメット・帽子の採用である。

赤は燃える色、情熱の赤である。
若く赤い選手たちの溌剌たるプレーぶりをメディアは「赤ヘル軍団」と呼んだ。

貧乏球団だから一人ひとりは、たいした選手ではなかった。
それが「軍団」となることで、団結力が増し、チームワークが冴えわたり、集団パワーが勢いとなった。

その年から1991年までの16年間で6回優勝した。 二~三年に一度のペースだから、強豪チームである。
常勝軍団だった。

「チーム一体感」を取り戻したカープ

ところが、91年を最後にチームは、またBクラスが定位置の弱小球団に逆戻りしてしまった。
最大の要因はやっぱり、地方の貧乏球団だったからだろう。
93年にフリーエージェント制度が導入された。
各球団の有力選手が自由にチームを選ぶことができる仕組みである。
年棒のよい球団、メディアでよく取り上げられる球団で戦いたいのが人情である。
有力選手が一部の球団に吸い取られてしまう。

川口、江藤が巨人に、金本、新井が阪神に移籍。
そして、黒田と前田はメジャーリーグに移籍した。
四番バッターとエースが次々と抜けていくチームが勝てるはずはない。

ところが、15年、黒田がメジャーを蹴って、カープに「男気」復帰した。
阪神で出番の減った新井も復帰した。
この実績のある二人のベテランの復帰は、若手中心のチームに求心力を与えた。

「おまえは野手を引っ張れ。俺は投手を引っ張っていく。一体感のあるチームにしよう」

とは、黒田が新井に言った言葉である。

点線以下は、優勝を決めた直後の黒田の言葉である(出典:スポーツニッポン16/09/11)

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その試合、その一瞬に全力を尽くす姿勢。
それが若手から伝わってくる。
それこそが、新井と僕の目指してきた野球だ。
特に野手は、39歳の必死な姿勢に感化されたと思う。
差し出がましいが、僕たちが同じ野球観を持っていたから、チームとしてまとまることができたのかもしれない チームは基本同じ方向を向かなければならない。
だが以前は残念ながら投手と野手には溝があった。
空気を変えたかった。
大事なのは助け合う気持ち。
互いをリスペクトし言動や態度には注意を払う。
投手、野手最年長の僕たちが、タッグを組んでそれを実行してきた。
今は溝がなくなったと感じる。
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今年のカープは強かった。
優勝チームからMVPが出るのが一般的だが、黒田か、新井か と言われると、個人成績は、それほどでもない。
新井は打点王になれるかもしれないが、黒田はタイトルには遠い。
「神ってる」鈴木誠也、ジョンソン、野村・・・と活躍した選手は何人も挙げられるが、MVPというほどでもないように思う。

つまり、赤ヘル軍団のチーム一体感を取り戻したことが、カープの勝因である。

ランチェスター第二法則は、集団パワーが発揮できたときに、相乗効果を発揮し、2乗倍のパワーとなることを示している。
そのことは簡単ではないことはカープの25年が示しているが、諦めないで欲しい。

「一体感のあるチームにしよう」との黒田の言葉を、あなたが自社で取り組めば、道は開ける。