ランチェスターの法則とは何か、どのように学ぶべきか、実践するとどうなるのか。ランチェスター戦略コンサルタントが解りやすく解説します。

このブログは当社代表の福永が、コンサルティング活動をするなかで、感じたこと、考えたこと、学んだことを書いていきます。お手伝いしている企業の成果を上げていくためのコンサルタントの頭の中身、いわば「ネタ帳」です。結果として、ランチェスター戦略理論と、その実効性を強化することになります。お役に立てば幸いです。


ルートセールスか、案件セールスか

  2016年07月25日


営業戦略を策定する前に、私(福永)は、次の三つの事柄を整理してもらっている。

第一に、見込事業か、受注事業か。両方あるなら、その割合はどうなっているのか。

第二に、直接販売か、間接販売か。両方あるなら、その割合はどうなっているのか。

これらは、下記のランチェスター戦略の格言 1事業とは、の5・6で解説しているので参考にされたい。
http://www.sengoku.biz/ランチェスターとは/格言

ルートセールス、案件セールスの特徴

第三に、ルートセールか、案件セールスか。
両方あるなら、その割合はどうなっているのか、についても整理しておかなければならない。

  • ルートセールスとは

    定期的に小口の受注をしていく営業方法である。
    たとえば、工具のような消耗品で、単価の安いものが多い。
    その品目の商権を握れば、安定的に販売できる。
    新規開拓の必要ももちろんあるが、既存客中心の営業である。
    顧客がよくわかっている商品なので、商品知識はあまり問われない。

  • 案件セールスとは

    案件・物件別に商談して受注していく営業方法である。
    たとえば設備のような耐久品や、個別に企画製造するオーダーメイド品など、単価の高いものが多い。
    既存設備のリプレース(交換・買い替え)の場合は有利ではあるが、ゼロベースで見直されることも多く、安心はできない。
    既存客であっても新規客と同様の商談プロセスが必要だ。
    もちろん、新規客も多い。高度に専門的な商品知識が問われる。

このように、営業方法が大きく異なるので、営業の効果・効率の向上の勘どころも異なる。

  • ルートセールスの勘どころは

    受注活動の量と質の適正化である。
    伸び代の大きな顧客を攻めることが重要だ。
    顧客の戦略的格付けが必要である。
    営業活動と納品を分けるか、分けないならば、納品頻度は低いが重要な顧客への訪問をどう増やしていくのかが問われる。
    御用聞き営業に陥るとジリ貧する。
    価格競争にさらされやすい。

  • 案件セールスの勘どころは

    商談プロセスの標準化と進捗管理である。
    受注金額・粗利を上げるには、取組み・引合い件数を増やす、受注率を上げる、受注単価を上げる、リプレースを確実にとる、といった取組みが必要だ。
    先発すること、商談と商談の間隔を詰めることがカギとなる。
    もちろん、商談スキルが求められる。

ルートセールスと案件セールスの掛け合わせ

ルートセールスだけではジリ貧となる。
ルートセールスで培った顧客との信頼関係の上に、案件セールスを乗せていくことに取組むべきである。
一方、案件セールスの場合は、定期訪問を行い、情報収集に努め、先発して案件に取組むべきである。
つまり、ルートセールス中心の会社も、案件セールス中心の会社も、両方に取組むことが業績向上の決め手となるのである。

  • ルートセールス中心の会社の場合

    ルートセールスの営業パーソンに、高度に専門的な案件セールスをやってもらうのは難しい。
    引合いをとってくるまでに専念させ、後は、専門スタッフに引き継ぐのが現実的である。

    飲食店に食材を供給している某社は、営業パーソンが毎日納品している。
    新規開拓や案件に取組もうとすると納品ができなくなる。
    したがって、情報提供のみを行い、興味をもった顧客へは専門スタッフが引継ぎ、商談をしている。

  • 案件セールス中心の会社の場合

    用事がないときにも重要な既存客に定期訪問しなさいと助言しても、なかなか進まないこともある。
    最低でも顧客に嫌われない訪問、できれば顧客に喜ばれる訪問にしていかなければならない。
    それは、アフターサービスとビフォアサービスである。
    または、ルートセールス品目を持つことである。

私が長年お手伝いしている会社(コピー機など事業所に必要な事務機や情報システム、オフィス家具や内装工事を手掛ける会社)では、文具のカタログ通販というルートセールス品目を持つことで、顧客接点頻度を向上させた。

文具カタログを配置させてもらった事業所に、定期的な訪問を重ねることで信頼関係を築き、顧客のニーズを探り、事務機や家具の需要をいち早くつかみ、先発して提案することで受注増を果たしている。

このような工夫があって、はじめてルートセールスと案件セールスは掛け合わせられ、大きな成果を生む。