ランチェスターの法則とは何か、どのように学ぶべきか、実践するとどうなるのか。ランチェスター戦略コンサルタントが解りやすく解説します。

このブログは当社代表の福永が、コンサルティング活動をするなかで、感じたこと、考えたこと、学んだことを書いていきます。お手伝いしている企業の成果を上げていくためのコンサルタントの頭の中身、いわば「ネタ帳」です。結果として、ランチェスター戦略理論と、その実効性を強化することになります。お役に立てば幸いです。


エトス、パトス、ロゴスの営業への応用

  2016年07月11日


ランチェスター戦略の「接近戦」とは、顧客接点の量と質の優位性を築き、最適化していくことである。顧客接点とは、企業の製品、社員、店頭、広告などと、顧客の接触のことである。
営業担当者の顧客と対面しての商談や、対面以外(電話・メール・手紙など)のコンタクトは、極めて重要な顧客接点である。

商談は量、質の順で最適化する

私(福永)は、お手伝い先の営業社員の方に、商談の回数・件数・時間の最適化を助言している。
ほとんどの場合、全く足らないので、大幅に増やすことに取組むことになる。
すると、「商談の量なんて、昭和の根性営業時代の話ではないか」と、抵抗されることもある。

私は、「単に総量を増やせということではない。
顧客の戦略的格付けに基づき、重要な顧客については商談量においてライバルにおくれをとってはならない。
ライバルも増客・増注すべく営業活動をしている。
量が劣っていても勝てると言い切れるか。 量が多ければ質はどうでもよいとは言っていない。
営業力は量と質の掛け算である。
質も大切。ただ、質がよければ量はどうでもよくはない。
まずは量の最適化から取り組むが、次に質の向上に取組む。

商談量は客内シェア(インナーシェア、インストアシェア)の先行指標である。
商談量が相対的に多ければ、客内シェアは上がっていくし、相対的に少なければ、客内シェアは下がっていく」と、説明すれば、おおよそ、納得してもらえる。

エトスがなければ、立派なロゴスも通用しない

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それでも、自分の商談スキルや提案力の高さをもってすれば、量が少なくても勝てる、と内心思っている営業社員はいる(かつての自分もそういう面があったので、よくわかる)。

そんな理屈っぽい営業社員のために、私はアリストテレスの「弁論術」に出てくる説得の三段階の話をしている。
アリストテレスとは古代ギリシャの偉大な哲学者である。
日本がまだ弥生時代の紀元前四世紀に、たくさんの著書を著わしている。
その一つの「弁論術」という本に、人を説得する三段階があるとの主張がある。

第一段階がエトス(エートス)。
英語のエシック(倫理、道徳)の語源となった言葉。信頼、徳、人柄といった意味。

第二段階がパトス。
英語のパッション(情熱)の語源。熱意、感情移入といった意味。

第三段階がロゴス。
ロジック(論理)の語源。論理、納得感といった意味。

どんなに立派な論理(ロゴス)であっても、信頼関係(エトス)や、熱意(パトス)がなければ、人は説得できないと、福永ではなく、アリストテレスが言っている。
わがロゴスに顧客に共感してもらうためにはエトスが必要。
そのエトスは顧客接点の積み重ねで築かれるものである。
これが、私が商談量の最適化を指導するロゴスである(ほかにもあるが)。
もちろん、エトスやパトスがなければ、お手伝い先の営業社員が動かないことはよく承知しているので、ぬかりなく推進している。