ランチェスターの法則とは何か、どのように学ぶべきか、実践するとどうなるのか。ランチェスター戦略コンサルタントが解りやすく解説します。

いま、なぜ、ランチェスター戦略なのか

1.あなたの会社に戦略はあるか?

以上の5つのチェックリストの該当するものに、してみてください。

一つでも印がつけられないのならば、以降の文をお読みになることをお奨めします。

できないということは、あなたの会社に戦略がないか、正しくないか、機能していないということです。
戦略をもたずして、この大競争時代を勝ち残ることは困難です。

そのような会社は一般に業績が振るいません。
業績がよいとしても、先人の遺産のおかげか、偶然だと思います。
再現性に欠けますので、いつまでも好業績は続きません。

業績不振の会社は、その不振の理由を他人のせいにしがちです。
需要が縮小している、景気が悪い、規模が小さい、誰それが悪い、天気が悪い・・・。
こういうのを責任他人論といいます。
そんなことを言っていても業績は向上しませんよね。

私(福永)はこう考えるべきと思います。

業績格差は戦略格差である。

戦略の優劣、戦略のPDCAの徹底度合いが、企業の業績を決めるのです。
戦略を学び、わが社の戦略づくりに活かしていく必要性があります。

2.戦略の原理原則を知ろう

「賢者は歴史に学び、愚者は経験に学ぶ」とは鉄血宰相ビスマルクの名言です。
歴史の積み重ね――歴史上の人物たちの大いなる成功体験、とんでもない失敗体験――は、智恵となり、教訓といわれ、やがて、原理原則として、確立します。

・昔は通用したが、いまは通用しない
・他社では通用したが、わが社では通用しない

こういったものは原理原則ではありません。
いつ、いかなる時も、いかなる場合でも通用するのが原理原則です。
知っていようが、いまいが、多くの場合に当てはまるのが原理原則です。

囲碁や将棋やチェスには定石(定跡)というものがあります。
先人の研究により確立された最善の打ち手のことです。
転じて、物事を行うときの最善の方法や手順という意味で広く使われています。
いわば勝ちパターンです。
ビジネス戦略にも定石があり、ランチェスター戦略は「戦略定石」といわれています。

一方で、古代ギリシャの哲学者ヘラクレイトスは「万物は流転する」といい、釈迦は「諸行無常」を唱えました。
世の中は常に変化するので絶対ということはないという意味です。
ビジネスにおける意思決定はケースバイケースにゼロベースでするべきとの考えもあります。

さて、あなたは、どちらが正しいと思いますか? 
どちらかに をつけてみましょう。

私(福永)は、世の中に絶対ということはないが、原理原則は知っておいたほうがよいと考えます。
天才や、よほどの達人でなければ、自己流は辞めたほうがよいです。
経験と勘と度胸よりも、原理原則のほうが勝率は高い。
天才といわれる織田信長もやったことを後講釈すると、原理原則に則っています。
ピカソは基礎的な写実的な画風を経て、奇抜な画風に到っています。天才ですら、そうなのです。
経営や営業マネジメントに係わる人は、経営戦略・販売戦略の原理原則、定石を知っておくべきです。
知った上で、ときに原則を超えた意思決定をすることも視野に入れておけばよいのです。

3.経営戦略・販売戦略の原理原則には、どんなものがあり、どう学ぶか

「戦略定石」や「販売戦略のバイブル」といわれるランチェスター戦略のその専門家である私(福永)は、数ある経営戦略・販売戦略理論のなかで、これを推奨していますが、ランチェスター戦略だけが正しくて、他は不要と思っているわけではありません。
むしろ逆で、ピーター・ドラッカーにマネジメントを学ぶべきだし、フィリップ・コトラーにマーケティングを、マイケル・ポーターに競争戦略を学ぶべきと考えます。


経営戦略・販売戦略に課題を感じている方にお伝えしたいことは、世の中に、経営戦略・販売戦略の代表的な定説にどんなものがあるのか、ざっと調べて全体像を把握することをお奨めします。
とりあえず、ランチェスター、ドラッカー、コトラー、ポーターあたりから始めましょう。
そして、比較してみてください。自社・自分に一番合いそうなものを選んでください。

選んだら、その一つの理論体系を習得します。
あれこれと広く薄く学ぶよりも、一つに集中することが大切です。
広く薄く学ぶと底の浅い理解に留まり、実践で使うと危険ですから。「生兵法はケガのもと」と、昔からいいます。
一つに絞れば深く理解できますから、実践で使えるようになります。

なかなか一つに絞れないという方、安心してください。
どれを選んでも、大切なことは共通しています。
まず、一つを本やセミナー、研修などでマスターした上で、拡げていくと既に学びとっている部分がありますので、早く習得できるようになります。
下記の拙著で、ランチェスター戦略と、コトラー、ポーター、ビジョナリー・カンパニー理論、ブルー・オーシャン理論の共通点と違う点を整理していますので、ご参考まで。
世界一わかりやすいランチェスター戦略の授業 99~108ページ

4.ランチェスター戦略をお奨めする三つの理由

数ある経営戦略・販売戦略のなかで、ランチェスター戦略をお奨めする理由は三つあります。


第一に、わかりやすいことです。
これほどわかりやすい理論は他にないと思います。
10分でわかる! 競争戦略のバイブル「ランチェスター戦略」』のページをご覧ください。
文字通り10分でざっと目を通すことができます。数値目標もはっきりしています。

内容的には、小が大に勝つ、弱者逆転することに力点が置かれています。
大が小に勝つのは当たり前。
でも、やり方次第で小であっても大に勝てる。
この戦略の醍醐味を「弱者の戦略」として理論化しています。
ですから、経営規模の大小を問わず、活用できます。

第二に、実務的なことです。
理論はわかっても、それをどのように実務で使うのかが、他の理論は充分に体系化できていないように感じます。
経営スタッフは理解しても、営業現場で使えなければ、あまり意味がないのではないでしょうか。

第三に、実績が豊富にあることです。
経営規模を問わず、業種・業態を問わず、これを学び、自社の戦略に取り入れてきた会社は数多くあります。
そして、そのことは過去の話ではなく、現在も、です。当社の業務実績を見ていただければ、ご理解いただけると思います。

以上が、お奨めする三つの理由です。
一方で、ランチェスター戦略についての偏見や誤解があるのも事実です。
そのことも、正直にお伝えします。

1.戦争のイメージがある
2.古くて、泥臭い
3.(これは誤解ですが)中小企業向けで、大企業が取り組むものではない

第一の戦争のイメージがあることは確かです。
原点が「ランチェスター法則」という軍事理論で、軍事用語を経営用語に置き換えている部分があります。
しかし、軍事理論は、その原点に過ぎません。
ランチェスター戦略は日本人コンサルタントの故田岡信夫先生が確立した経営・販売・競争の戦略理論です。
戦争の勝ち方を指導するものではありません。
まして、戦争を美化するつもりは毛頭ありません。
ただし、経営と戦争には一点において共通することがあります。
それは、負けたら悲惨がまっているということです。
その意味で「ビジネスは戦である」と私(福永)は思っており、黒田官兵衛や真田幸村に学ぶ趣旨の本も書いております。
ですが、そのことは戦争を美化する意味ではありませんので、ご安心ください。

第二の古くて泥臭いのは確かです。
戦術テクニックや手法は日進月歩で古びますが、ランチェスター戦略は骨太の戦略論です。
定石、原理原則は普遍の真理なので、古いとか新しいといった次元ではないと思います。
聖書や孫子を古いというでしょうか。

また、長い歳月を使い続けられているということは実績が豊富ということです。
古いといっても、過去のものではなく、いまも、多くの企業が取り組んでいます。
当社の業務実績をご参照ください。
また、1970年代に確立された当時のママで、いまも通用するはずがありません。
原理原則は守りつつ、最新の経営理論の知見や、経営手法のノウハウを現役コンサルタントの私たちが取り入れ、進化させています。
ご安心ください。

泥臭い、「汗の匂いがする」ともいわれますが、むしろ褒め言葉と受け止めます。
営業現場で使える実務体系という意味ですから。
実務で使えることこそ、ランチェスター戦略の真骨頂なのです。

第三の中小企業向けというのは完全な誤解です。
当社は年商が兆単位の大手総合商社や総合メーカー、世界最大級の外資系医薬品メーカーなどの業務実績が豊富にあります。
中小企業の業務実績も豊富にあります。
経営規模、業種、業態を超えて活用できるのがランチェスター戦略です。

それなのに、中小企業向けであるとの誤解があるのは、

①中小企業も使える理論は数少なく、その代表的な存在であること、②中小・零細企業に特化したランチェスター戦略の専門家が何人かいらっしゃること、なのかと感じます。
中小企業に向いていることは確かですが、中小企業専用の理論ではありませんので、誤解なさらないでください。

以上、ランチェスター戦略をお奨めする理由と、誤解や偏見に対する見解を記しました。
選ぶのは、もちろん、あなたです。
このパートでは、あなたの会社を左右する重要な、とても重要な戦略を学ぶ意味や、学び方を解説しました。
その候補の一つとしてランチェスター戦略も検討しようということなら、よろしかったら、10分でわかる! 競争戦略のバイブル「ランチェスター戦略」のページで、大づかみなさってください。